幼年期の終わり:クラークの最高傑作

 ミニシリーズでTVドラマ化され、子供たちの姿が印象的であった。
 その番組を見て、久しぶりに再読した。クラークの数多い作品の中でも最高傑作であろう。これ以外に、何も言うことはない。

バルタン星人を知っていますか?:ウルトラマンでバルタン星人のエピソードの監督だった飯島監督の自伝

 へ~、TVドラマって、こんな風に作られていたんだ、特撮って、こんなに大変なんだ・・・。この手のことに知識のない私には、びっくりの話ばかりである。
 ウルトラQ、ウルトラマン、ウルトラセブン、そして泣いてたまるかのエピソードは、子供の頃にリアルタイムで見てきた人間には興味深い。どんな分野でも草創期というのは、熱気があるものである。本書でも、TVドラマ、特撮ドラマの草創期の熱気が感じられる。

海底牧場:珍しい海洋SF

 クジラを放牧する海底牧場を舞台としたSF。魚資源の枯渇が心配される中、海の中での放牧というのは、現実の世界でも考えるべき内容のように思える。
 小説としては、クラークらしく淡々と進む。SFとしては、物足りない部分もあるが、海底牧場という設定だけで読ませてくれる。

ミレニアム3:3部作の最高傑作

 も傑作であった。でも、本作は、その中でも最高傑作である。
 リスベットに関する公安警察の陰謀を、ミカエルをはじめとする狂卓の騎士たちが打ち破る、というストーリーだ。
 でも、公安警察のような権力に対し、人権を真じる人々が結束するというストーリーを書ける国がうらやましい。日本では、こういうストーリーは現実ばなれしているというように、一刀両断の評価になるのではないか。