ジョナサン アイブは、Apple社の様々な製品のデザインをしてきたデザイナーである。そのジョナサン アイブに焦点を当てた本である。
この本を読んで一番びっくりしたのは、ジョナサン アイブの才能ではなく、Apple社におけるデザイナーの仕事の広さである。日本企業においては、大抵の場合、デザイナーというのは目に見える外観をデザインするにすぎない。
ところがApple社においては、製品コンセプトそのものだけではなく、製造方法まで含めてデザイナーが検討して、最先端のデザインを実現しているのである。ここまで仕事を広げられるような実力のあるデザイナーが果たして日本にいるのか、そもそもそんなことを許すような企業があるのか、という疑問を感じざるを得ないような内容の本である。