偉いぞ!立ち食いそば:表紙の哀愁の漂う立ち食いそばの風景が絶品

 東海林さだおのエッセイは本当に面白い。この本も面白い。
 この本のエッセンスが、表紙のイラストに集約されている。本書のメインは、立ち食いそばのメニューを全て制覇すると言う内容である。なんと6回に分けてその内容は紹介されている。さらにはそのメニューを全制覇しようとした立ち食いそばの社長との対談まで掲載されている。
 最初の回に、立ち食いそばの正しい食べ方と言うイラストが載っていて、そのイラストのコメントを省いた部分が表紙のイラストなのである。ちなみに本文の中のイラストのコメントを少し引用してみよう。

  • 背中に哀愁が漂うようになれば一人前
  • 表情は「憮然」とが正しい
  • 箸の先で丼を引き寄せる
  • ジャンパーのたぐいが似合う
  • 靴底を見せる
  • 左ひじをカウンターにつける人が多いがむしろポケットの方が小粋に見える

 

 さすが東海林さだおだ。観察の鋭さ指摘の的確さに思わず笑ってしまう。この後、延々と続くそれぞれのメニューに対する感想や思い入れも、例によって独特の表現で書かれている。
 本書では、この立ち食いそばに関する話題以外に、2日間で駅弁を24個食べるという馬鹿げた試みについても書かれている。いずれも抱腹絶倒だ。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。