ウルトラマンが泣いている:特撮の現場と著作権ビジネス

 私はウルトラマンをリアルタイムで見た世代である。ウルトラマンが放送された翌日に小学校では必ずウルトラマンごっこをしていた。別のブログでも書いたが円谷英二 特撮の軌跡展に行ったり、これもまた別のブログで書いたがウルトラマンデザインで名高い成田亨 美術/特撮/怪獣展などへも行ったりする程度のファンではある。
 CGのない時代に特撮というのは本当に大変であったと思う。それをビジネスとして続けていく苦労は想像以上のものであろう。しかも、先駆者というのは試行錯誤の連続であるので結果的にはいろいろな失敗をする。
 この本の著者は、円谷英二の孫である。題名からわかるように、当然円谷プロの経営について批判的に書かれている。たぶん、ある一面ではこの筆者の言う通りの失敗を重ねていってに違いない。
 特に著作権ビジネスというのは、日本にはなじまない形のビジネスだっただろう。今から思えばこうすればよかったという後悔の連続に思えてくる。特に、孫という立場から考えると、より一層その部分が強調されることになる。
 だが、今でもウルトラマンがある世代にとって一定のポジションを確立しているという意味では、成功であったということも言える。

 

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