トルコ沖の砲煙:正規の艦長となったホーンブロワーの活躍

 前作では、海尉のままで艦長になったが、本艦は海佐として正式の艦長となったホーンブロワーの活躍を描く。とはいっても、年功序で言うと下っ端なので、小型艦の船長でしかない。しかも、部下は総入れ替えである。前作では、優秀な副長がいたが、本作の副長はあまり優秀とはいえない。しかも、ドイツの王子まで引き受けるはめになってしまう。
 前にも書いたが、やはり艦長としての活躍は、わくわくさせられる。

砲艦ホットスパー:艦長ホーンブロワーの活躍

 前に感想を書いたホーンブロワーシリーズの第3巻である。主人公のホーンブロワーは、海尉のままで、いよいよ小さいながらも艦長に就任する。個人生活としては、下宿の娘マリアと心ならずも結婚してしまう。
 やはり、小さな艦であっても、艦長というのは、圧倒的な存在感である。どんなに不利な状況でも、知恵と勇気で乗り越える。そうした艦長としてのホーンブロワーの中編エピソード集だ。

 

スペイン要塞を撃滅せよ:ホーンブロワーシリーズの第2弾

 前にも書いたが、コノホーンボロワーシリーズは、これを原作とするドラマがあって、このドラマも素晴らしい。本巻も、ドラマになっている。前作は、中編集であったが、本作は、レナウン号に乗り込んだホーンブロワーと、ブッシュの2人が主人公で、海よりも陸で活躍する物語だ。

海軍士官候補生:ドラマとは違う面白さ

 本書は、「海の男 ホーンブロアー」シリーズの第1巻である。本書の解説によると、このシリーズは日本における鞍馬天狗のようなものらしい。まあ、現在では鞍馬天狗といってもピンとこないので、このたとえが正しいかはわからないが、英国における一種の国民文学の1つのようだ。
 今から30年程前、私が高校生の頃、本シリーズはかなり良い場所に鎮座していた。刊行当時は、それなりに人気のあった本なのだと思う。私も高校生の時に読んだのだが、内容は全く忘れていた。
 別のブログで書いたのだが、本署を原作としたドラマがあって、これが結構面白かった。もう一度、原作を読んで見たいと思って、30年ぶりに再読した。読んでびっくり。ドラマは、本当に原作にほぼ忠実(女性関係を追加していたりする)で、原作を読みながらドラマの俳優(特にペリー艦長)の顔が浮かんでくるほどである。少し内容が古い気もするが、1話1話が短いので気軽に読める。
 もう少しシリーズを読み進めてもいいああ、と思っている。

永遠の0:さすがに面白いのだが

 言わずとしれた大ベストセラー作品である。私は、最近の大ベストセラーの小説を読むことはあまりない。年を取ったためか、どうも面白いと思う感性が世間とずれているのか、せっかく買っても面白くなくて途中でギブアップすることが多いからだ。ただ、百田尚樹の作品だけは、手に取った作品の半分くらいは読了している。この本も一気に読むことができた。ただ,知人が言っていたような涙が出て仕方ない、というほどの感動は感じなかった。戦争中に祖父と関わった人の話を聞きながら、祖父の姿と死の真実に気づいていくという組み立てはすばらしいのだが。