剱岳-線の記:行動する考察

 新田次郎の「剱岳・点の記」は強い印象を残す傑作である。三角測量点を設置するために命がけで剱岳に登頂成功したら、そこには昔、山伏が置いていった祈祷用の道具があったという話だ。この山伏はいったい誰で、どのように剱岳へ登頂したかを読み解くのが本書である。過去の文献をさぐるだけでなく、今でも難しい剱岳への登山を実際に経験しながらさぐっていく。この行動する考察力には、本当に引きつけられる。

  

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