『ロードス島戦記』とその時代:ビジネス書だったとは

 私はSFファンだった(というか、今でもSF好きである)。安田均という名前は、SFの翻訳者だった。それが、コンピュタゲームの紹介者としても活躍しだした。ちょうど、私が、コンピュターゲームを最も盛んにやっていた時代である。当時は、日本のPCと海外のPCでは使うOSが異なり、海外のソフトを日本のPCで使うことができなかった時代だ。そんな時に、安田均の紹介する海外PCゲームは魅力だった。
 そして、安田均という人のゲーム情報がなくなり、『ロードス島戦記』が彼の主戦場になった。ここで、私の頭から安田均という人の名前は消えた。
 なので、『ロードス島戦記』には、何の思い入れもない。でも、久しぶりに聞いた言葉だし、読んでみた。メディアミックスの先行事例として、取り上げられたビジネス書だった。でも、内容は、その時に、活躍した人たちへのインタビューであり、すごく読みやすい。と同時に、ある分野が立ち上がる時の勢いを感じる。これは、マイコンをめぐるジョブズやビル・ゲイツの話などと共通する部分がある。
 最初からビジネスプランがあるのではなく、試行錯誤の中から、ビジネスが生まれていくということがよくわかる本である。

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