ユービック:ディックにしか書けないSF

 何という不思議なSFだろう。ディックのSFらしく、最初は、小説の世界を理解するのに時間がかかる。テレパスや予知能力者と、その能力を不活性化する能力を持つ不活性者が存在し、不活性者を派遣する会社が存在する。未来社会は、身近なドア、テレビ、冷蔵庫などは、使う都度、料金が必要となっている。
 そんな社会で、事件が起こり、その事件も、時間が逆行するという事件で・・・。
 次々とディックの世界についていかなければならない。でも、その努力に見合う面白さだ。