理化学研究所:基礎研究の重要さがよくわかる

 こういう本は、やはり山根一眞でなければ書けない。基礎研究というわかりにくい分野を、うまく解説している。将来、応用が可能な分野については、その応用の先進性と広がりについて。そうでない分野は、その知の広がりについて。そして、スパコン「京」、スプリングエイトなどの最先端の説簿がどのように研究のブレークスルーに役立っているのか、バイオリソースセンターのような一見地味な(そして手間とお金のかかる)仕事が研究の基礎を確立しているのか。
 発明・発見だけがイノベーションではない。ビジネス観点で見ればそうであろう。でも、発明・発見こそがイノベーションの王道であり、それを支えているのが基礎研究である。

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