雪舟応援団:まず表紙が笑える

 このブログで何度も書いている日本美術応援団を最初とする山下裕二との対談集である。取り上げる題材は、今回は雪舟のみ。雪舟というのは、涙で描いた鼠の逸話でよく知られているというか、それ以外には知らない人である。
 赤瀬川原平にとっては、この雪舟の慧可断臂図が日本画に興味を持ったきっかけになったということで、かなり思い出深い画である。表紙に、対談者二人の顔をはめ込んだ慧可断臂図が笑える。本の装丁は例によって南伸坊である。
 さすがに、雪舟だけで対談をうめつくすというわけにもいかなかったようで、対談以外にも赤瀬川原平と山下裕二の文章が掲載されている。本の値段の割にページ数が少ないのだが、写真が多く掲載されている。その写真を見ながら、対談を読むということになる。
 でも、山水長巻を二人で見に行って、三時間も見ていたというのはびっくりだ。やはり、本当に美術が好きなのだろう。

 

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