YS-11:熱い開発の物語

 YS-11という国産機の開発物語である。本当に熱い。技術者達の苦闘がわかる。ここまで頑張ったYS-11は、後継機種を作られることもなく、そのまま歴史に消える。
 技術者達の闘いは本当に熱い。でも、客観的に見て、本当に、旅客機という技術が日本に必要なのか、という気にも
させられる。
 YS-11のような技術を廃れさせた国はバカだと思っていた。この本を読んでも、腹が立つ。でも、今は、冷静に考えると利用技術こそ重要な時代のような気がする。国をあげて、もの作りを応援する時代ではないのかもしれない。
 現在、パイロットが不足している。これは、頑張って養成して欲しい。利用側の人材は重要だ。これを失うわけにはいかない。でも、飛行機そのものはどうなんだろう?海外から買ってきても、たぶん問題ない。全てのものを国産でまかなうなんて不可能だからだ。
 コンピュータのハードウエアよりも、ソフトウエアだ、というのと同じような構造なのかもしれない。