日本の歴史をよみなおす:百姓と農民は違う

 私が学生だった頃と、現在とでは、歴史の解釈がかなり異なっている。でも、日本の昔は農業社会であった、という認識はそのままである。しかし、本署を読めば、そもそも日本における農業従事者の割合を、百姓=農民という解釈でとらえて、大部分が農民であったという考え方は違うのではないか、というのが本署の主張である。農業社会しか考えてこなかった日本の歴史について、もう一度よみなおしているのが本署である。
 考えてみれば、これだけ海に囲まれた社会なのだから、漁業や海運が発展していたに違いない。また、これだけ森に恵まれた社会なのだから、林業や製鉄が盛んだったに違いない。そうした職業から新たな歴史をよみなおすというのは、今でも新鮮である。