超・反知性主義入門:読了するのに時間がかかってしまった

 日経ビジネスonlineで掲載中のコラムをまとめた単行本の第4弾である。私は、このコラムをWebで愛読していて、さらに単行本も購入して再読するというファンである。なのに、今回の単行本は購入してから読了するまで半年くらいかかってしまった。後書きを読んでやっとその理由がわかった。Web連載の文章に手を加え、少し贅肉を落とした文章にしているのだという。私は、贅肉のついた、少し行きつ戻りつする著者の文章が好きだったので、そうでなくしている文章を読んで違和感を感じていたのだろう。
 それは、日経ビジネス本誌の方で連載中の著者のコラムにも言えることで、そのコラムが誌面の関係で短すぎるのである。
 この著者の本領は、あーだこーだという思考の蛇行にこそ面白さの源泉があること、そして私がその蛇行が好きであることをあらためて実感した。

 

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