竜の夜明け:パーンの竜騎士に入植者が到着した時代の話

 パーンの竜騎士シリーズの外伝。でも、今まで感想を書いてきたパーンの竜騎士シリーズの中では、最もSFらしい内容だ。パーンに入植者が宇宙船で到着するところから始まるのである。
 このシリーズの序の「射手座区のクルバトは、黄金に輝くG型の惑星である。」で書かれている中で、

 恐るべき糸胞の襲来に備えるため-パーン人は着いた当初に輸送船を解体してしまい、そうした科学技術の粋を、この牧歌的な星にはそぐわないものとして捨て去っていたのだが-才知に富む人類は遠大な計画に乗りだした。まず第一段階として、火蜥蜴-この新世界にもともと棲息していた生命体-をきわめて特殊な能力をもつ品種に改良した。高度の感情移入力をもつ男女や生まれつき思念感応力を備えた男女がそれら異能の動物の世話をし、使いこなすための訓練を受けた。

 この部分の話しが展開されるのである。登場人物の名前が、後の地名になっていたり、と面白い。
 何より、面白いのが、表紙のイラストである。以下に貼り付けようと思ったら、表紙の画像が出てこないのでがっかりである。上巻は宇宙船が、下巻は竜が表紙なのである。この本の内容を一言で表現したすばらしい表紙だ。

 

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