私は鉄道の事はあまり知らないし、それほど好きでももない。だが鉄道の技術と言われると少し知りたいと思う。
少し知りたいというのは、深くは知りたくはないが、なんとなくわからせてくれる本があれば読んでみたいという意味でもある。この本は、そんな要求に応えてくれる本である。
蒸気機関車の技術を外国から導入する時代から始まって、ディーゼル機関車、電車、新幹線。さらにはリニアモーターカーについてその技術の進歩を簡潔に紹介している。特にわかりやすいのはその技術がどのようなニーズから出てきた技術であるかを丁寧に説明しているところである。さらに鉄道といっても列車だけではなく、線路の工事などについても解説されていて、この1冊で鉄道技術の全貌を理解できた気にさせてくれる。