東京ワンデイスキマ旅:東京周辺のスキマをめぐるーいろいろな場所、いろいろな人

  ヨミウリ・オンラインで連載されていた記事の単行本化である。スキマ旅というのは、有名な場所ではなく、その場所に関係のある人しか立ち入らないであろう場所へ筆者が出かけ、主としてお土産屋や飲食で会話するという旅のことである。
 これを読んで、そこに掲載されているところへわざわざ行きたいという人はいないだろう。現代人は多忙だからだ。
 でも、そんな実用性ゼロの本がなぜか面白い。観光地化されていない場所というのは、こんなにもいろいろな場所、いろいろな人がいるんだということに気づかせてくれるからだろうか。

 

シニアに優しい旅のコツ:中高年のための旅のヒントが満載

 旅行のノウハウ本というのは、旅行の達人の本が多い。若い人であれば、そういう本を読んで、自らも旅行の達人になるというのもいいであろう。ところが、中高年にとっては、そういう本はあまり役に立たない。いまさら、旅行の達人になるよりも、楽に楽しく旅行を楽しみたいからである。
 以前紹介した「50才からの海外旅行術」はツアー旅行の楽しみ方を書いた本であった。「シニアに優しい旅のコツ」は、同じくツアーの楽しみ方を主としているが、もう少し広い範囲でコツについて書かれている。
 なるほど、と思ったところを少し引用してみたい。
 まずは、パッケージ選びのチェックポイント

 シニアにとって無理のないスケジュールになっていなかを知るためには、次のチェックが必要です。
・「1都市2泊以上」の原則が守られていること
 (後略)

 食事について

 どういうわけか日本人は泊まっているホテルのレストランでのランチやディナーを嫌うようです。ガイドブックに載っている有名レストランとか地元の名物料理店とか、あるいはやっぱり日本食でなくちゃ、といいながら出かけます。(中略)
 ひとつの場所に2泊以上するときは、一食はホテルのレストランでゆっくりと食事してみてはどうでしょうか。

 旅行について

 旅はもともとお金がかかるものです。
 (中略)
 旅を楽しむということは、いかに時間とお金を上手に使うかということでもあります。

 中高年のための旅のヒントをまとめて読めるという意味では、参考になる本である。現時点では古本でしか注文できないようだ。

 

50歳からの海外旅行術:海外旅行ツアーを題材にした本

 海外旅行に関する本は多い。ところが、その大半は、個人旅行に関するガイドである。ツアーは、選んでしまえば、そのまま連れて行ってもらうだけだ、という考えなのか、ツアーに関する海外旅行術を書いた本は意外にない。この本は、その意外にないツアーに関する本である。
 だが、ツアーに関する旅行術だけで1冊の本になりにくいのか、この本の半分以上は、筆者が参加したツアーの体験記である。旅行術だけを読みたい読者はあてが外れるが、私はツアーと言ってもいろいろあるのだということを実感するのにいい内容であった。