熊と踊れ:圧倒的な迫力の犯罪小説

 兄弟と友人からなる銀行強盗団の犯罪小説。周到な計画、沈着な実行力。驚くべきは、これが、実話を基に、しかもその実行犯の兄弟が執筆者の1人として完成された小説であるということである。上下巻で1000ページを超える大作であるにもかかわらず、一気に読ませる。
 名前の登場する人物が極端に少ない。北欧のミステリものにありがちな、名前が混乱して、読んでいる途中で誰が誰だかわからなくなるということもない。実話に基づく、リアリティ。この小説に没入できる要因かもしれない。翻訳も読みやすい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。