飛行機代をいかに安くするか、ということでいえば、LCCは1つの選択肢である。私はLCCを使ったことはない。でも、一度経験してみようかな、と思って、本書を手に取った。私のように、年に1~2回しか旅行で飛行機に乗らない人間にとっては、本書で紹介されている苦労と、安さをはかりにかけると、LCCには乗れないというのが結論であった。でも、何も知らずに、LCCに手を出さずに済んだのは大きな収穫である。

 ポアロものは半分ほど、それ以外にそして誰もいなくなったなどの有名作品を読んでいる程度の私には、非常に参考になった。こんなに、面白い作品がまだあったとは。自分の読書予定に、数冊加えることができた。
 最大の問題は、アガサ・クリスティーはミステリーでありながら、再読に耐える作品が多いことだ。今回、本書を読んで、既読の作品の魅力を再発見し、再読したい作品が、上記読書予定以上に増えたことである。またまた、読書に時間がとられてしまう。

 前に、「司馬遼太郎」で学ぶ日本史:何を学べるのかを学べる本 - 読書右往左往を読んだので、その勢いで、よく似た題名の本を読んでみた。こちらは、何を読み解くのかはよくわからない。司馬遼太郎の本を列挙し、その時代に関する筆者の雑談を並べたように思える。でも、意外に、面白い。

 TV番組「100分de名著」の内容に加筆したもののようだ。TV番組も見たのだが、やはり本にした方がよくわかる。
 司馬遼太郎の小説は、歴史小説であって、歴史書ではない。でも、我々にとって重要なのは、史実かどうか、ではなく、まず面白いかどうかである。
 面白さ以外の重要なことは、人それぞれだろう。でも、司馬遼太郎の本からこんなことが学べますよ、ということを語ってくれるのは、本から何かを学びたいと思うときには、いい手引書になる。司馬遼太郎の長編小説はすべて読んだのだが、へ~、こんなことも書かれていたのか、と気づくことも多い。
 筆者が歴史家ということで厳しい目のレビューが多いようだが、書名が歴史を学ぶ本のような書名だから誤解を与えるのだろう。歴史に詳しい人が、司馬遼太郎の本から学べることを教えてくれる本、と思って、軽い気持ちで手に取る本だ。

 最近、この手の本をよく読む。自分もその年齢になろうとしているからだ。だが、本によって、自分に響く本と響かない本とがある。この本は前者であった。
 特に、筆者が企業を定年退職した人であり、その定年後のエピソードを披露している部分が響く。夏の間は、会社員時代のように起床できるが、冬になると起床時間が遅くなり、夏になると再び早くなった、という話など、そうなんだろうなあ、それが定年ということなんだろうなあ、と思った。

 前作と同様、犯人は最初からわかっていて、その犯人と被害者の話が出てきて、その悲劇をどう食い止めるか、というパターン。前作の、このパターンがあまりにもスリリングであったため、本作はそれに比べて、あまり緊迫感がなく前半が過ぎてしまう。下巻の方は、面白くなるので、さすがなのだが。

ユービック:ディックにしか書けないSF

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:

 何という不思議なSFだろう。ディックのSFらしく、最初は、小説の世界を理解するのに時間がかかる。テレパスや予知能力者と、その能力を不活性化する能力を持つ不活性者が存在し、不活性者を派遣する会社が存在する。未来社会は、身近なドア、テレビ、冷蔵庫などは、使う都度、料金が必要となっている。
 そんな社会で、事件が起こり、その事件も、時間が逆行するという事件で・・・。
 次々とディックの世界についていかなければならない。でも、その努力に見合う面白さだ。

Google誕生:草創期の発展がよくわかる

 2006年刊行の本なので、ネット企業の本を、発行から12年も経って読むことの意味があるのか、と思いながら、少しだけページをめくって、そのあと、一気に読んでしまった。ちょっとサクセスストーリーすぎるが、草創期の熱気と、目指していた姿がよくわかる。
 今のGoogleでは、会社が大きすぎて、こういう本は、もう書けないだろう、と思う。

大阪ことば学:大阪弁のニュアンスも含め説明

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:

 大阪弁に関する本は多い。だが、その大半は、面白おかしく大阪弁を紹介している本がほとんどである。
 本書は、それらの本とは一線を画し、豊富な大阪弁の実例をもとに、大阪弁の表現に関して、説明している。
 この説明が中途半端ではない。表現のバリエーション、その表現のニュアンスを、標準語で解説している。大阪弁を使っている人間にとっても、その解説は、本当にうなづけるものなのである。

幼年期の終わり:クラークの最高傑作

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:

 ミニシリーズでTVドラマ化され、子供たちの姿が印象的であった。
 その番組を見て、久しぶりに再読した。クラークの数多い作品の中でも最高傑作であろう。これ以外に、何も言うことはない。