LAW & ORDER

 前回、LAW & ORDER: 陪審評決が自分にとってはあまり面白くなかったという少し失礼な感想を書いた。よく考えるとスピンアウトのほうの番組の感想を先に書いて、本家本元のLAW & ORDERの感想を書いていなかった。本家本元の番組はかなり熱心に観た(といっても日本語の吹き替えがあるシーズンだけだが。早く全シーズン日本語の吹き替えを作ってくれないものかと切望している)。
 まず始めのナレーションがいい。

「刑事法体系には等しく重要な二つの独立した組織がある。犯罪を捜査する警察、そして容疑者を起訴する検察。これは彼らの物語だ。」

 これでこの番組の骨格が、一言でわかるのである。
 前半は犯罪を捜査する警察の物語である。通常のクライムサスペンスではこの警察の物語がほとんどである。ところが実際には、警察というのはあくまで犯人を逮捕するところまでが仕事である。この時点では犯人は有罪でも無罪でもない。
 そして、この逮捕した犯人を起訴して、有罪に持ち込むというのが、検察の仕事である。この仕事は主として法廷が舞台になる。米国の場合、ここに司法取引という日本には無い仕組みが絡んでくる。そもそも、起訴するのか司法取引に持ち込むのかということも検察の物語にとって大きな駆け引きになる。
 全20シーズンというロングランを記録した犯罪サスペンスの最高峰というに相応しい硬派な番組である。