昭和の玉手箱:昭和30年代以前に生まれた読者向け

 赤瀬川原平が亡くなり、他のブログで書いた(赤瀬川原平の芸術原論:千葉市美術館 – ミュージアム右往左往)が作品にもふれたりして、少し赤瀬川原平の本に凝っている。
 この本は、赤瀬川原平が語る昭和のモノに関するエッセイである。赤瀬川自身の体験と記憶で語られる。ただ、ここに書かれているものは、読者の年代を選ぶであろう。私は昭和30年代の生まれだが、それでもわかりにくいことが多い。たとえば、力道山が喫茶店やそば屋のTVで放映されていて、それが人気をよんだ時代は知らない。オート3輪も見たことはあっても、乗ったことはない。
 たぶん、この本は、私の世代あたりが読者として最も若い世代で、もう1世代前の読者は実感としてわかる本のように思える。