旅行の最近の記事

 誰もが海外旅行できるようになった時代、普通の人の海外旅行記というのは意外に少ない。バックパッカーたたき上げの人たちの話を読んでも、普通の人間はあまり共感しない。本書は、そうした本とは異なり、普通の人の旅行記である。私も、家内と子供2人でイタリア旅行へ行ったことがあるが、共感できる部分が多い。
 パスポートを盗まれたり、ロストバゲージにあったり、と大変な目にあいながらも、何度もヨーロッパ旅行に出かける。それだけの魅力があるのだろう。ところごころにある、旅のヒントも、自身の経験に裏付けられている。ロストバゲージにあった時に、自分のスーツケースの説明をするのは難しいので、写真を撮っておくことがおすすめ、というアドバイスは、次の旅行で実践しようと思った。

 少し前に感想を書いた本と同じ著者の本である。パックツアーに関するノウハウ本では、今や、第一人者と言えるのではなかろうか。基本は、今まで書かれていたことの焼き直しではあるが、新しい航空路線の変化に対応した内容になっている。こういう本の、基本的な考え方の部分は変化ないが、情報的な部分は変化があり、それについて丁寧に対応されている。
 本書で大きく取り上げられている旅行地のうちの1つは、ハワイは時差が大変で、初心者には意外に難易度が高いというのは、私も実感がある。時差ぼけ対策に飛行機でひたすら寝るというのは、あまり賛成できないが。

 

 旅行の情報がネットであふれている時代ではあるが、それでも、ベテランの書いた旅行のノウハウの本は参考になる。
 別のホームページに、私も旅行記を載せているが、大した経験はないので、人に語れるほどのノウハウはない。基本的に、個人旅行を主にしていたが、昨年、スペインへパッケージツアーで参加した。個人旅行と比較して、良い点もあれば、悪い点もある。でも、パッケージツアーであっても、旅のノウハウは必要だと痛感した。
 そのノウハウは、個人旅行でもパッケージツアーでも共通なものと、パッケージツアー特有のものがある。この本では、主としてパッケージツアーのノウハウが語られているのだが、個人旅行でも役に立つノウハウも満載である。
 トロイ遺跡は大したことがなかった、とか、自腹で行った旅行を基に語っているので、率直な書き方になっている。旅行を仕事としている人ではなく、ユーザー視点の内容が参考になる。

 こんな危険な状況の中でも鉄道に乗るのか、という驚きの鉄道紀行である。私は、鉄道ファンではないので、この気持ちはわからない。でも、そういう人がいるおかげで、世の中にはこんな鉄道があるのだ、ということを知ることができる。
 たとえば、フィリピンには、鉄道に向かって石を投げる習慣があるという。だから、窓には網をつけないと窓ガラスはなくなる。こんな習慣があるとは知らなかった。
 チャレンジの度合いも半端ではない。クーラーのない車内よりも、屋根の上の方が快適なところでは、筆者も屋根の上に上がる。地雷原を走る鉄道にも乗る。復路のことが気にかかりながらも、その日には帰れない鉄道にも乗ってみる。
 ただ、写真がないのが残念だ。少し値段を上げても、写真入りにすべきであった。

 スペイン旅行に行こうかと思っている。ガウディといえばバルセロナの観光のメインである。
 スペイン旅行に行こうと思う人間にとっては、ガウディは、この本の題名の通り、確かに気になる存在である。この本はガウディの人そのものの業績、ガウディ建築の特徴、どこ行けばガウディ建築を見ることができるか、などについてまとめて記載されている。「とんぼの本」らしく綺麗な写真が満載である。

 

 「地団駄は島根で踏め」という題名は本当にひきのある題名である。
 地団駄のような語源を訪ねて実際にそこへ旅する、という旅のルポである。語源を訪ねて旅をするということを思いついた時点で、この本が面白いということは約束されていたようなものである。そして、実際に期待を裏切らない内容になっている。
 訪ねた場所は、何と23箇所。よくもまあ、こんなにあるものだ。少し紹介すると、急がば回れ(滋賀県・草津市)、ごたごた(神奈川県・鎌倉市)、らちがあかない(京都府・京都市)。行くだけでも大変だ。
 語源に関係する場所を実際に訪ねるだけでなく、旅の中で、その語源に関係のあるお土産まで紹介するという親切さである。こうしたちょっとした寄り道が、この本のおもしろさに、さらに花を添えている(花を添える、の語源て何なんだろう?)。

 

  ヨミウリ・オンラインで連載されていた記事の単行本化である。スキマ旅というのは、有名な場所ではなく、その場所に関係のある人しか立ち入らないであろう場所へ筆者が出かけ、主としてお土産屋や飲食で会話するという旅のことである。
 これを読んで、そこに掲載されているところへわざわざ行きたいという人はいないだろう。現代人は多忙だからだ。
 でも、そんな実用性ゼロの本がなぜか面白い。観光地化されていない場所というのは、こんなにもいろいろな場所、いろいろな人がいるんだということに気づかせてくれるからだろうか。

 

 旅行のノウハウ本というのは、旅行の達人の本が多い。若い人であれば、そういう本を読んで、自らも旅行の達人になるというのもいいであろう。ところが、中高年にとっては、そういう本はあまり役に立たない。いまさら、旅行の達人になるよりも、楽に楽しく旅行を楽しみたいからである。
 以前紹介した「50才からの海外旅行術」はツアー旅行の楽しみ方を書いた本であった。「シニアに優しい旅のコツ」は、同じくツアーの楽しみ方を主としているが、もう少し広い範囲でコツについて書かれている。
 なるほど、と思ったところを少し引用してみたい。
 まずは、パッケージ選びのチェックポイント

 シニアにとって無理のないスケジュールになっていなかを知るためには、次のチェックが必要です。
・「1都市2泊以上」の原則が守られていること
 (後略)

 食事について

 どういうわけか日本人は泊まっているホテルのレストランでのランチやディナーを嫌うようです。ガイドブックに載っている有名レストランとか地元の名物料理店とか、あるいはやっぱり日本食でなくちゃ、といいながら出かけます。(中略)
 ひとつの場所に2泊以上するときは、一食はホテルのレストランでゆっくりと食事してみてはどうでしょうか。

 旅行について

 旅はもともとお金がかかるものです。
 (中略)
 旅を楽しむということは、いかに時間とお金を上手に使うかということでもあります。

 中高年のための旅のヒントをまとめて読めるという意味では、参考になる本である。現時点では古本でしか注文できないようだ。

 

 海外旅行に関する本は多い。ところが、その大半は、個人旅行に関するガイドである。ツアーは、選んでしまえば、そのまま連れて行ってもらうだけだ、という考えなのか、ツアーに関する海外旅行術を書いた本は意外にない。この本は、その意外にないツアーに関する本である。
 だが、ツアーに関する旅行術だけで1冊の本になりにくいのか、この本の半分以上は、筆者が参加したツアーの体験記である。旅行術だけを読みたい読者はあてが外れるが、私はツアーと言ってもいろいろあるのだということを実感するのにいい内容であった。