ビジネス書の最近の記事

 サラリーマンにとって怖い本である。私腹をこやすために不正に手を染めたのではない。出世欲という私欲はあったのだろうが、それは同時に会社のためになると思ったはずだ。
 この本は、いろんな側面で語ることが可能な本だろう。私は、政府頼みの事業が、会社の正常な判断を蝕んでしまう怖さを感じた。普通の感覚なら、絶対にしないような事業判断を、政府の後ろ盾があるのだから、ということで下してしまう。現場とは、完全にかい離されてしまった世界だ。
 今や、政府は大赤字である。はっきりいって、普通の企業なら倒産している状況だ。そんな経営しかできていない政府の言うことを聞いて、その政府の援助をあてにするなんて、民間企業の経営者としては失格だろう。現場で起きていることをはっきりと認識してほしいものである。

 会社が消える日と同じ著者だったので、読んだのだが、いろんな企業の話がつまっていて、少し表面的な感じをうけた。NTTと東電を頂点とする企業連合の絵は、非常にわかりやすい。
 SONYの出井元社長に対する評価は興味深かった。SONY凋落の戦犯として有名な経営者だが、創業者社長たちの後のサラリーマン社長という立場がSONYという会社のかじ取りを難しくしたという指摘は、うなずけるものがある。

 題名だけからは、国際戦略に関する盛田氏の主張をまとめた本のようにみえる。実際には、そんな単純な本ではなく、氏の生い立ち、経歴、SONY創業の話、SONYの事業展開、そして、妻子を連れての米国への展開とつづく。
 国際戦略といっても経営戦略だけでなく、教育、社交、など経営以外の話題も多い。さらに、マネーの世の中に対する警告もふくめ、盛田氏の幅広い考えが1冊にまとまった本である。

 読むところ全てで、?である。何で、というところからスタートする。でも、その後の説明で、納得する。「やりたいこと至上主義」とか、本当にその通りである。でも、それを言語化できるということが素晴らしい。
 ?の後の納得感が快感になる本である。

 

 賞味期限の短い本の典型なのか、2017年という時点で読むと既にインパクトはなくなっている。同様の議論が、あちこちでされているからであろう。
 たぶん、その発端の1つは本書だったのだろうが、シェアリングエコノミーに関する説明をするために、今では必要のない説明がえんえんと続く。現時点で、これだけのページ数の本を読む価値があるのかは、少し疑問。

 メールアドレスを作ったけど使わなかったという筆者の経験断から始まり、ウ
エブでメシを食えるようになるまでが結構長い。ウエブを収入源とする生き方が
できるようになったのが、そんなに昔ではなく、しかも食べていける人は一握り
ということがよくわかる。
 昔話の部分は、筆者のウエブでの仕事をよく知らない私のような人間には、少
し退屈である。昔話を読むなら小田嶋隆の昔の本を読む方がはるかに面白い。

 物語戦略とは、買い手が語りたくなる物語を売り手が提供する戦略ということのようだ。確かに紹介されている例は、この趣旨通りであろう。でも、その戦略をどう構築するかという話になると、とたんに具体性がなくなる。事例そのものに、あまり共通項がないので、わかりにくいのだ。でも、どの事例も面白く、そういう意味では、読んでみる価値はある。

 2000年に刊行された本なので、ポケモンGOなどの最近の話はふれられていない。題名からビジネス書ということがわかりにくいが、ポケモンというゲームから始まったキャラクタービジネスを、人を中心にビジネス史として構成した本である。
 ポケモンという大ヒットは、希有な人材が希有な人材と、いい時に出会うことで成立したのだということが、よくわかる。ビジネスの基本は、やっぱり人なのである。
 ポケモンGOに至る続編を期待する。

 リストマニアという題名から、どれだけすごい話かとおもって期待したら、あまり大したことはなかった。TO-DOリストの実践が半分くらい。あとは、旅行の持ち物のリストとか、買い物リストとかで、私も既に実践しっているものばかりだ。
 とはいうものの、ヒントもあり、「話すこととリスト」というのは、参考になった。苦手なことも、リスト化することが重要ということだ。

 電卓の父として有名なシャープの元副社長佐々木さんの活躍を活写した本である。電卓の父としてしか認識していなかったが、実は、技術に対する慧眼だけでなく、多方面に人脈があり、電話1本で会うことが出来るという人間力の人でもあったことを知った。
 そんな彼でも、インテルが考えていた電卓の機能をMPUとメモリーに分割し、ソフトウエアで実現するという方式については、その近くまでいながら、届かなかったという。技術の方向性の見極めの難しさを思う。
 もう一つ心証的なのは、創業者早川とのやりとりである。いくら佐々木が優秀でも、その自由度を許容できるだけの懐の広い創業者がいないと仕事はできない。サラリーマン社長になってからのシャープの凋落がそれを端的に示している。