僕が伝えたかったこと、古川享のパソコン秘史:あの時代の最先端での情熱と出来事が垣間見れる

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 筆者の古川亨は、日本マイクロソフトの元会長で、日本のPC史の中心人物の1人である。マイクロソフトとしての氏の印象が強く、ASCII時代からこんなに活躍していて、かつ、こんなに技術オタクの人とは知らなかった。
 マイコンからパソコンへの変化の時代に、ASCIIという技術オタクたちの集まりが、当時の日本での最先端であり、そこで起きたことが、どのような人々の情熱で成し遂げられたことなのか。そして、そこで活躍した若者が、どのようにASCIIから巣立っていったか、もよくわかる。
 本書の最後に、この若者達の情熱を再び、と思っていることが綴られている。これが、「僕が伝えたかったこと」なのだろうが、本書で本当に伝わるのだろうか?膨大な註が本文のあとについているが、あの時代を知らない世代には少しわからないことも多いように思える。本書を読んだ大人達も、あの時代の息吹を体感したことのある世代は、そろそろ企業は引退している世代だ。あと10年早く本書を出した欲しかったと思う。